世田谷の商店街を見つける、つながる

あきない世田谷

石野晋弥さん

PRESS SHOP アサヒヤ

オープン日:2021年4月18日
店主の手ほどきを受けながら、自分の手でTシャツやトートバッグなどにシルクスクリーン印刷や刺繍を施すことができる「アサヒヤ」。初めての作業に大人心もドキドキワクワク、仕上がった世界でたったひとつの作品を手にすると思わず顔がほころびます。屋号は店主の生まれ故郷山形県新庄市でお祖母さまが営んでいた商店街の衣料品店「朝日屋」から。時代は移り場所も業態も異なれど、人をつなげ、人を笑顔にしてしまう温かい空間が受け継がれました。

働き者のお母さんと自由奔放に思えたお父さんが営む音楽にあふれた喫茶店で育った店主の石野晋弥さん。早稲田大学入学を機に上京、在学中にWeb制作を行う会社を経営する学生起業家でした。その後、別会社に合流して有名アーティストのファンクラブサイト運営、グッズ販売のECサイトの立ち上げを手掛け、数年後にマザーズ上場も果たしました。さらなる展開に向けて海外移住を予定するなか、コロナのパンデミックに。それを機に自身のこれまでの働き方を大きく方向転換、「まちの店」を持つことに思い至りました。DIYで仲間と仕上げたという工房のようなスタジオのような大きなその路面店舗は人が集まることを前提に選びました。

「前の会社でアーティストグッズの制作に関心を持ったことがこのビジネスを立ち上げたきっかけです。三軒茶屋はまちの人も感度が高く、クリエイターさんも多く暮らすまち。手軽にリーズナブルにモノづくりができたら、きっと面白い人たちが集まってくれるにちがいない、そんな確信がありました。自己表現の場にもしたかったので、さまざまな印刷機材といっしょにいち早く仕事には関係ないDJブースも用意(笑)。モノづくりもできて音楽も楽しめるいろんな人の遊び場になれたらと思っています」

時代の先端を行くビジネスの仕組みづくりを得意の仕事としてきた石野さんでしたが、日々シルクスクリーン印刷の知識を蓄積し技術を高め、お客さまとふれあうなか、アナログなモノづくりの魅力をご自身も実感しているそうです。

「作業の過程が一番の醍醐味です。お客さんにレクチャーしながら『うまくいくかな』とドキドキしながら作業をできるだけ見守って、最後はいっしょに完成を喜んで。テンション上がります。ネットでオーダーする、されるでは味わえませんから。先日、結婚式の引き出物用にと袋に印刷をされているお客さんがいました。間接的でも他人様の門出に関われるなんてエモいじゃないかって思いました」

石野さんの人柄あり、体験型という特徴に加えて1枚からの小ロット印刷への需要もあり、近所の人からアーティストまで、想定をしなかった人々との出会いがたくさん、ゆるやかに「太子堂ライフ」を楽しんでいます。

知り合ったミュージシャンに店内でライブをしてもらったり、併設している飲食店で山形の郷土料理を提供したり、茶沢通りのホコ天の日にはダブルダッチの体験会も開催したり。

「TV番組で紹介された翌日、年配の方が顔を出されて『そういう店だったのね』と(笑)。うちの4才の娘も経験者、シルクスクリーン印刷は小さなお子さんも楽しめます。世代を超えてたくさんの人に足を運んでほしいですね」

PRESS SHOP アサヒヤ

最寄駅
東急田園都市線 三軒茶屋駅 徒歩8分
住所
世田谷区 太子堂5-16-8 村野ビル1F
営業時間
12:00〜20:30
定休日
月曜

営業時間、定休日など変更されている場合もありますので、お店のウェブサイトなどでお確かめください。