院長の酒井さんは下町育ちの江戸っ子、小さなころから地元の祭りが大好きで現在も神輿担ぎがライフワークの一つだそう。マッサージの際には肌触りのいい粋な江戸手ぬぐいを愛用しています。
大学卒業後は大手飲食企業の事務畑で充実したサラリーマン生活を送っていました。結婚し、子宝に恵まれましたが、後日、子どもさんに先天性の足の障害があることが判明しました。
「足の長さのバランスが悪く生まれてきました。歩きやすくするため、その治療というと完治はしないものの小学生時分に外科的手術を施して長さを整えるのが通常で。どうにか手術はせず、ほかの方法はないかと妻と二人必死に模索するなか、縁あって治療とリハビリにて診てくれる腕のある先生に出会うことが出来ました。藁をもつかむ思いで、先生の指導を請うことにしました」
治療と合わせて家庭での毎日のリハビリが絶対に欠かせないとのこと、覚悟を決めて先生からその手技を学び、毎朝出勤前に息子さんの足のリハビリを行う、という365日を送リ続けていたそう。
「息子が小学4年生のとき、家庭でのリハビリを17歳まで続ける前提で治療は卒業と宣言してもらえました。感謝の気持ちでいっぱいになると同時に、息子のために必死に身に付けた技術で今度はほかの人を助けたいという気持ちがいつしか芽生えていました。私の想いを汲んで妻も背中を押してくれ円満退社、その後鍼灸専門学校に通い国家資格も取得しました。余談ですが息子ヘのマッサージは疲れて必要な時は今でも。おかげさまで30才となった現在、不自由なく元気に働いています」
開業後しばらくは訪問治療を中心に。その後新橋に拠点を構え、宣伝は一切せずとも知り合いへの治療をきっかけに口コミで患者さんが増えていくなか、長年の患者さんでもある知人がオーナーとなってここ八幡山で開院、院長として招致されることになりました。現在、一般の人からプロスポーツ選手まで幅広い「困った」の解決に向き合っています。
「いわゆる心地いいリラックス系のマッサージとは別物、独自の手技で身体をほぐし痛みの原因にしっかりアプローチしていきます。患者さんの症状をよく聞いて、立ち姿、歩き方、声色などから症状を見極め、一刻も早く回復に繋げることをモットーとしています」
患者さんの「困った」には無理をしても応えていきたいそう。お休み中に、初詣や相撲観戦中にギックリ腰となったという患者さんのSOSで急ぎ駆けつけたことも。
「例えるならあの国際救助隊サンダーバードのような存在で人助けをしていきたい。『行けば絶対なんとかしてくれる先生』、そんな治療家として地域でも実績を重ねることができたら。どんどん頼っていただけたら嬉しいです」