「福祉は利益を求めない商売をすることが当たり前のようなイメージ、価値観に疑問を感じていて。『障害のある人が一生懸命つくったから』という前提だけではなく、商品のクオリティに見合う正当な値段がついて、正当な工賃が支払われる世になってほしい。だからこそ、ここも『いち商店』として評価され、売上もしっかりあげていきたいと思っています」

仲本さんは文化服装学院出身、子ども服のデザイナーからスタートし、結婚出産を機に転職しながら長年アパレル業界に身を置いてきました。やりがいは感じながらも、浮き沈みの激しい業界で時間に追われる毎日に疲れ、思い切って違う業界を目指します。同店を運営する社会福祉法人に入社、同店の店長に。

「研修期間は障害のある方と本を読んだり、雑談したり、一緒に時間を過ごすところからのスタートでした。正直、福祉の知識がない分、先入観みたいなものもなかったのも私にはよかったのかもしれません。障害の有無というより、行き着くとこは人それぞれの個性なんだということを実感しました。例えば、過集中の方、時間が守りにくい方、お金の計算が苦手な方。短所であり長所でもあり、これって誰にも当てはまることだよなって」

生きづらさを感じているのは優しくて繊細だから。うまく自分の気持ちが表現出来ないのは正直に話そうという真面目さから。まっすぐでピュアな世界観に仲本さん自身が癒やされること、教わることが多い一方、だからこそ、少しずつでもここで外の人に触れ、社会に慣れることの重要性も痛感。裏方の仕事だけではなく、機会を見つけてはあえて接客をお願いすることも。
「もちろん配慮をしながらですが、スタッフのひとり、働き手としてアテにさせてもらっています」

正直な材料、丁寧な手作りの焼き菓子はその美味しさが浸透し、不動の人気商品。これから仲本さんが注力していきたいのがすべて一点ものの雑貨の数々。同法人で生まれた藍染めの作品を始め、アクセサリーなどの生活雑貨。障害の有無ではない、いわゆる名もなきハンドメイド作家のひとりが手掛けた作品の素晴らしさを是非届けたいそう。

「『あの店イイものがあるよね』なんて、お土産やプレゼントとしてここの商品が地域の方に求められるような店にしたいです。どこにでもあるものではない、ストーリーのあるモノって送る側にも送られる側にも付加価値があると思うんです。買っていただくことで、誰かの応援にもつながりますし。入りたくなるディスプレイそしてカッコイイ、可愛いパッケージにするのは私の腕の見せどころですね(笑)。ステキな商品がたくさんです、ふらりとのぞいてくださいね」



