ガラス貼りのスタイリッシュな店構え、ハイクオリティなパン。とびきり洗練された店づくりでありながら、気兼ねのいらない「まちのいつものパン屋さん」を地で行きます。

大好きだった絵本は「からすのパンやさん」、休日によく家族に昼食を作っていた小学生時代、「食」に関心の高い子どもだったとオーナーシェフの保住さんはご自身を振り返ります。
中学生時に早くも料理づくりの道で生きていくことを決意、調理の高等専修学校に進学し、卒業時には調理師免許を取得。
「漠然とパティシエになりたいなと思っていたのですが、先生に『君にはパン職人が向いている』と薦められまして。キャラ判断だったのかな(笑)、理由はわからず仕舞いですが今では大感謝です」

有名ホテルのフレンチレストランのベーカリーに就職しフランス人シェフの下、バゲットやカンパーニュなどの技術を習得。フランス人にとってのバゲットのように料理を際立たせるいい「皿」のような、生地で勝負のパンを極めたいと自身の方向性も見えました。
その後有名ホテルやまちのパン屋、ベーカリーカフェで商品開発から店舗の立ち上げまで幅広い経験を積み、まちも立地も物件も気に入ったここで開業。パン屋にはめずらしいオープンキッチンとミモザの花酵母パンは保住さんの大きなこだわりです。

「花から生まれる天然由来の酵母パンは乳酸菌が豊富で食感はしっとり香り豊か。発酵食品ですから、消化も良く、身体に優しく、食べ疲れない。昨今身体への負担が高いと小麦やパンが悪者に扱われることを覆したいというパン屋としての矜持もありますね。そして、製パン工程や作り手の顔がわかれば、子どもたちにパンづくりに興味を持ってもらえるし、より大切に食べてくれるかな、とオープンキッチンに。僕も買ってくださる方の顔がいつもわかるから絶対手を抜けません」

「メロンパンが食べたい」「クリームたっぷりのパンがほしい」、お客さまのリクエストにも出来る限り答えて新作パンを作るのも保住さんの楽しみのひとつ。いつも30種類ほどのパンがお出迎え、愛情たっぷりに無添加でつくりあげるどれも自慢の品です。

「食パンやバゲットが人気ですが、今は発芽ライ麦全粒粉のパンを推しています。身体にとてもいいんですよ。食べづらい、酸っぱいというイメージを変えてもらえると思います」
パンを真ん中に会話が生まれ、人のつながりが生まれ、まちに活気が生まれ。小学生向けのパン作りワークショップの開催、近隣小学校とのご当地パンの商品開発、店前へのポップアップショップの誘致などなど、このまちにパン屋がある意義をまだまだ追究していきたいそう。

「『店を開いてくれて助かっている』と言っていただけ感謝しかありません。役に立っているのかな、と思うと疲れも吹き飛びます。このまち自慢のみんなが知っているいつものパン屋のおじさんを目指します」


