オーナーシェフ豊嶋さんの小学生の頃の夢はクラブチームで打ち込んでいたプロ野球選手かコックさん。
「父は地元調布でクラシックなフランス料理店を営んでいました。コックハットをかぶった立ち姿がかっこよくて憧れていました」

大学卒業後、一般企業に就職したものの倒産の憂き目に。ならばと夢を追ってフレンチの料理人を目指します。お父さまのススメで23歳のとき単身渡仏、4年間かけてモンペリエ、パリ、ブルゴーニュの星つきレストラン、ビストロで修行を積みました。

「フランス人に囲まれて言葉も料理も何もわからないところから。今思えばよく行ったなあと。若さですね(笑)。でも暮らしながら本気で学ぶことでフランスが大好きに。同時に日本のよさも実感することが出来ました。渡仏するまで知らなかったフランスの郷土料理、家庭料理の素晴らしさに感激、これを日本人に伝えたい、日本で星つきレストランではなく、現地のようなビストロを持ちたいと目標が決まりました」

帰国後銀座のフレンチ、実家のフレンチで経験を重ね、ここ烏山で開業。最高峰の豚といわれる「伊豆天城黒豚」をー頭買いし、その技術で切り分け、シャルキュトリを筆頭にパスタやラーメンなど幅広いメニューで無駄なく使い切ります。同店20種類以上のシャルキュトリのひとつ「せたがやそだちソーセージ」にはせたがや育ちの旬の新鮮野菜が練り込まれています。トウモロコシや枝豆、ホウレンソウ、変わり種では新生姜やニラなど変わり種も。

「加工過程は素材によって苦労がありますが、味は意外になんでもイケます。烏山の野菜の直売所に行くとフランスでのマルシェ通いを思い出します。地の旬の野菜を手に取って、そこからメニューを考えるのが楽しくて。ウイキョウなどヨーロッパ原産の希少なモノを見つけると俺が買わなきゃ誰が買うのよ、なんて意気込んで買ってしまいます(笑)」

ランドック地方の「カスレ」、アルザス地方の「シュークルート」など地方色豊かな郷土料理に出会えるのも同店の魅力のひとつ。海外旅行が好きなお客さんが多いのも納得です。海外での思い出話や情報交換に花を咲かせるのが豊嶋さんの楽しいひとときだそう。「ソーセージってドイツが一番美味しいものと思い込んでいた」「向こうで食べたフレンチより美味しい」など嬉しい言葉も。

「日本でフレンチというとまだまだ格式高いイメージが持たれていますが、暮らしにあるフレンチに本当のフランスらしさがあると思います。提供するモノは皿以外全部手作りで頑張っています(笑)。シャルキュトリを看板に家庭料理に郷土料理、もっとメジャーにしていきたいと思います」


