「学生時代から食べること、料理をつくることが大好き。そして勉強は大っ嫌い(笑)。料理人になって自分の腕で生きていくぞと早くから決めていました」
高橋さんは迷うことなく二葉栄養専門学校に進学し調理師免許を取得。中華を希望したところ、紹介された修業先は小さな頃から家族で通っている吉祥寺にあった四川の名門老舗中華料理店でした。

「家族が大好きな味をまさか自分が学べるなんて、とそのご縁に感激。8年間みっちり、厳しくも丁寧な指導を受けました。そこの中華は香辛料に頼らない優しい味付けが特徴で、材料の切り分けも統一感を大事に。中華の大胆さだけではなく、繊細さにこだわりたい自分の中華スタイルの原点です」
独立を見据えて、料理の幅も広げ接客や店舗経営も学ぼうと浅草橋の中国料理店で広東料理を学び、千歳船橋のまちのラーメン屋を経て、30代半ばにここ千歳烏山で開業を果たしました。

「開業時、当時流行のダイニングバーを意識しておしゃれにワインと中華を楽しんでもらおうとしましたがお客さんの求めているそれではないことに気づき、ほどなく方向転換(笑)。自分が美味しいと思う日本人の料理人だからこその創作料理を極めることに特化してきました」

麻婆豆腐やエビチリ、手作り点心など定番中華メニューはもちろん、手間ひま掛けたオリジナリティあふれる創作中華が充実しているのも特徴。それぞれを求めて食べに来てくれる常連さんがいるから、メニューは減らせないそう。無添加の豚肉から桜のチップでスモークして仕上げる風味豊かな自家製ベーコンも人気の看板メニューのひとつ。

そして、その新鮮さ、味の濃さに驚かされたという、お客さんでもあるご近所の大谷農園のせたがや育ちの旬の野菜も同店にとって大事な味の決め手だそう。
「サラダにメインに旬の野菜をふんだんに取り入れています。創作中華をうたっているので、食材の組み合わせやアレンジは腕の見せどころです。例えば5種類のチャーハンのひとつはパクチーがどっさり。まち中華のチャーハンをイメージしていたお客さんは最初驚かれますが、好評です。うちはさっぱりさを心掛けている味付けなので野菜の味もしっかり感じてもらえるかなと思います」

自身は変わらず料理に向き合う毎日のなか、開業時に子どもだったお客さんが気づけば結婚していたり、とその変化で20年もの時代の流れにふと気づかされるそう。

「おひとりでもお仲間でも御家族でもゆっくり過ごしていただける店だと思っています。2階のせいかな、『美味しいね、最近出来たの』なんてたまに言われることがたあってまだまだだなあって反省です(笑)。お客さまに感謝しながら、これからもこのまちで長く商売を続けていくことが目標です」


