幼少期から水泳を始め18歳まで競泳一筋、都内トップクラスの輝かしい成績を修めていたオーナートレーナーの炭田さん、大学浪人時代になまった身体を動かしたいと通い始めた近所のジムで筋トレの魅力にすっかりはまってしまったそう。
「筋トレは他人と競うのではなく、昨日の自分との比較で努力の成果が目に見えてわかり、やればやるだけ結果がついてくるもの。実は僕、元々ネガティブな性格で浪人中メンタルがかなりやられていたのですが、トレーニングで身体が変化するごとに性格もどんどん前向きになっていく自分に気づきました。これはすごいぞって。いつしか、フィットネスの素晴らしさを伝える仕事をしたいと考えるようになっていました」
筋トレで得た自己肯定感と自信に背中を押され、浪人生活を続けながらパーソナルトレーナーとなって2足のわらじを履くことを決意。大学では食環境科学部に在籍、人体学、生理学、解剖学などの身体にまつわる知識を無我夢中で身につけました。大学3年時には会社を設立、都内のレンタルジムでトレーナーとして実績を積むなか、その腕を見込まれ、完全紹介制でプロスポーツ選手や音楽アーティスト、政治家などの自宅にて出張個人レッスンを行うまでになりました。
「仕事が軌道に乗ると、地元に貢献したいという気持ちが大きくなりました。小さなジムなので知る人ぞ知る、駆け込み寺のような『腕のいいトレーナーのいるジム』として頼っていただける存在になれたらと思っています。背中が痛い方にはマッサージやトレーニングで症状を治しつつ、原因を見つけて、背中が痛くならない身体づくりまでをする。痩せたい方にはトレーニングや食事療法で理想の体重にし、必ず維持できる身体づくりまでをする。マイナスからゼロそしてプラスにすることが僕の役割だと思っています」
ジムのお客さんは近所の大学生からリモートワークが増えた会社員、主婦など、その目的も多岐に亘ります。フィットネスは継続することが何より大事なこと、気軽に手ぶらで通えるよう、タオルやシューズ等もすべて無料で貸し出ししています。
トレーニング中の雑談で「誰にも話せなかったことを先生に話せてスッキリした」と言われることがよくあるとか。身体がほぐれ、心もほぐれ。家族でも友人でも知人でもない気兼ねのない自分だからこそ、小さな心の支えになれるかもしれないと日々感じているそうです。
「身体の動かし方、必要な栄養素など、新しいメソッドが世にどんどんあふれ、エビデンスはどうなんだろう、人間の身体はずっと変わっていないのになって思うことがよくあります。人間の身体はふたりとして同じことはありませんから、これからも知識を深めながら目の前の身体としっかり向き合っていきたいと思っています」