世田谷の商店街を見つける、つながる

あきない世田谷

ダルジット・シングさん 小山美住さん

THAI503 (タイゴーマルサン)

オープン日:2022年9月13日
エスニック料理をカフェやレストランのいちメニューで見掛けることもめずらしくなくなった昨今、だからこそアレンジ品ではない「本場」の味を知りたくなる人も多いはず。世田谷線上町駅からほど近く、昔ながらの個店が並ぶ通り沿いでひときわポップな色使いの店構えが目を惹く「THAI503」はタイ料理の専門店。店内にはタイの歌謡曲が流れ、厨房からはタイの言葉も聞こえてきます。異国情緒を感じながら「本場」のタイ料理を気軽に楽しめる店づくりになっています。

同店をプロデュースしているのは、その本場仕込みの美味しさとクオリティの高さで世田谷区のインド料理の名店となった「スパイス・マジック」のオーナー、インド料理の著名なシェフであるダルジット・シングさんと管理栄養士の資格も持つ奥さまの美住さんです。食べることが大好き、味にも品質にもこだわる食通なお二人が外食先に好んで選ぶのは「本場」の味を提供する専門店。そのなかに15年前に出会い、以来通い詰めたタイ料理店の味がありました。

「タイ料理は甘い、辛い、酸っぱい、塩辛いが複雑に絡み合った味わいが特徴です。専門店のテーブルにはお酢とナンプラーと唐辛子と砂糖が置かれていてそれを自分好みにカスタマイズして食べるのが一般的なんですが、そこは提供された時点でもう4つの味のバランスが私たちにぴったりで大感激。当時赤ちゃんだった娘も気に入って離乳食のように麺類を食べていました(笑)」

お二人を虜にしたその味を生みだしていたのがタイ北部のまちチェンマイ出身の料理人、現地でそして日本で腕を振るい、今日30年となるベテラン料理人のお母さんとそのご家族の3人です。

「自分たちが惚れ込んだお母さんの味をいつか自分の店で紹介できたら。半ば夢のように思っていました。『もし辞めるようなことがあったらウチに来てね』なんて話していたら15年間もの時を経てご縁が生まれ、このタイ料理店を開業することができました。お母さんと妻は揃って5月3日生まれ、その数字を屋号にしています」

提供しているのはほぼ本場の味だそう。現地の食材に日本の食材も取り入れています。現地の家庭料理同様に手間暇をかけたいちからの手作りだからこその、深みある味わいはクセになるものばかり。タイ料理が日本で年々ブームとなり、市販のソースやタレもそれに近しい味わいのものが増えてはいるものの、「なんちゃって」ではない、「タイ風味」ではない、本物の美味しさと幅広いレパートリーメニューをたくさんの人に伝えていきたいと考えています。タイ料理を食べたくなった時にふらりと来て楽しんでもらえたら、と昼から通しで営業中です。

「ご注文が多いのはご飯ならガパオライス、スープはトムヤムクン、サラダはヤムウンセンかな。メジャーなメニューももちろんオススメですが、トムカーガイやトートマンクンといった日本ではまだまだ一般的ではないタイ料理らしい味わいを楽しめるメニューがたくさんありますから、ここで是非知ってもらいたいですね」

目指すは食事を楽しみたい人も、飲みたい人も思いついたら気さくに立ち寄ってもらえる、ワイワイ活気あふれる現地の屋台のような店。まだまだ「タイ料理は辛くないですか?」と聞かれることも。子どもでも楽しめる味も多く、家族の食事の場としても通ってもらいたいと考えています。

「おかげさまで『スパイス・マジック』は20周年を迎えました。コツコツ続けていくことで地域の店に育てられていくことを実感しています。ここもいつか、『世田谷区でタイ料理といえば』なんて言っていただけるような店に育てたいです」

THAI503 (タイゴーマルサン)

最寄駅
東急世田谷線 上町駅
住所
世田谷区世田谷 2-6-2 染野ビル1階
TEL
03-6413-5629
営業時間
11:00〜22:30(L.O)

営業時間、定休日など変更されている場合もありますので、お店のウェブサイトなどでお確かめください。