同店は地元に長年愛された老舗蕎麦屋があった物件。ゆっくりと地元に根付く店に育てていきたいと、前店へのリスペクトと商いの心意気を継ぐべく、内観もテーブルや椅子もそのまま使用。開業7年のお店にもかかわらず、落ち着いた趣が魅力です。
料理長の安藤さん、その誠実な人柄そのままに同店の優しい味わいを生み出しています。料理人を目指した動機はフグ調理師への憧れから。
「小学生の時でしたね。猛毒を持つ魚が調理人の腕で高級魚となる、ふぐ調理師免許がある人しかその調理が出来ないということを知り衝撃を受けて。すごい、かっこいい、やってみたいと思いました」
高校卒業後、調理師免許取得を応援してくれる箱根の旅館に住み込みで修業、さまざまな魚の捌き、下ろしから調理をしっかり身に付けました。ふぐ調理師免許を無事取得後、紹介で個人経営の居酒屋、旅館で働き、釜飯や焼き鳥調理など料理の幅を広げ、5年前にご自身の地元である烏山の同店へ。
「もちろんお酒を召し上がる方も大歓迎ですが、ここは居酒屋より食堂としての役割が大きいと思っています。一人暮らしの方、忙しい毎日でなかなか手を掛けられないけれど家庭料理を楽しみたい方など、幅広い世代の皆さんがここをあてにして通ってくださっています。白いごはんに合うおかずでお腹いっぱいになってもらうこと、健康な食生活を支えるお手伝いが出来ることを常に心掛けています」
大人気の栄養バランス抜群の「からす定食」を始め、肉料理に魚料理にバラエティ豊かな日替わり惣菜にごはんのお供もいろいろ。定番定食ほか、揚げ物をチョイスできたり、惣菜を一部選べたり。お客さんが自身で日替わり定食をカスタマイズできるのも楽しいところ。鮭の西京焼きは店内で手仕込み、刺身は注文を受けてからカットなど、手間ひまを惜しまない調理の先に同店の美味しさが生まれます。
「例えば夏にはかつお、秋のさんま、冬の寒ブリといった人気の旬の魚料理は刺身、焼き物、煮物、揚げ物とカタチを変えて楽しんでいただいています。合わせて旬の野菜も自分の料理には欠かせないモノ。ここ地元、せたがやそだちの採れたて野菜はほんとに美味しいです。そのときに旬の食材を仕入して、それからメニューを考えますが、どれも新鮮で味が濃いのでシンプルな調理が合います。その美味しさに気がついてくれるお客さんも多いのでやりがいがあります」
コロナ禍をきっかけに手掛けたお弁当のテイクアウトも人気。お客さんの声に耳を傾けながら自店の味を外に届ける工夫も続けています。また、今年「1食分の野菜量120g」をクリアしたとり唐おろしポン酢定食としょうが焼き定食が「せたミール」にも登録されました。
「毎日ご来店いただいても飽きがこないよう、四季折々の手作り料理をたくさんご用意しております。是非ご賞味ください」