「修行を積んだシェフが素晴らしい料理を提供されている店が祖師ヶ谷大蔵にたくさんあるなか、いわばプロフェッショナルじゃないうちの店ができることは、いつでも手作りの温かい料理を年中無休でご提供すること。終電に遅れた方に真夜中のティラミス、ときに夜勤明けの方に早朝のナポリタンとか。ラストオーダータイムのない店と言われています(笑)」

現在22才の中濱さんは19才で同店店主に。小3から現在も続けるボクシングに打ち込む一方、高校時代のバーや飲食店でのバイトをきっかけに飲食の世界に惹かれ、進むことを決意。
「個人的な悩みや家族や職場では話しにくいことも話してくださるお客さんがいっぱい来店されてました。酒場の役割って飲む、食べるだけじゃないんだって。僕自身大人に囲まれて育ったこともあり、そんな空間が居心地よくて。いつか店を持ちたいなと思うようになっていました」
ならば思い切って現場で学ぶが一番との家族の総意で開店。料理上手なお母さんの隣で日々料理を学び、今日に至りました。

「自分が小さい頃アトピー性皮膚炎を患っていたこともあり、母は素材選びからとても気をつけて料理していました。『性格も身体も食べたもので作られるからいいものを食べることは大事なこと』と聞かされて育ちました」


一般に深夜帯に提供されるお酒のつまみはスナック菓子や乾き物などジャンクなものが多いなか、オーガニックを打ち出し、自分の家族に食べさせたい料理を手作りし、提供しています。作り置きはせず。例えば、名物メニューのナポリタン嫌いな人も好きにさせてしまう赤のナポリタンと海鮮風味とチーズのハーモニーが楽しめるオリジナルの白のナポリタンもオーダーを受けてから麺を茹でて、素材をカットして炒めてといった手順で調理します。

「ワインは酸化防止剤不使用の国産ワイン。ジンもオーガニック、レモンやライムも有機栽培のものを使用。カクテルのフルーツは生の果実をたっぷり。母のオリジナルレシピのティラミスは無添加無化調。砂糖は使わず、カロリーゼロの自然派甘味料ラカントとはちみつで代用。血糖値を上げない効用があるんで、罪悪感少な目に楽しんでいただけます(笑)」
家族経営の安心さと食の安全へのこだわり、そのアットホームな雰囲気に惹かれ、女性のひとり客も多いそう。そして、寝酒の一杯にとほぼパジャマのような出立ちで現れる近所の常連さんも。朝方まで待っていてくれる年中無休のだからこそ、深夜帯の勤務形態のお客さんにとっての疲れをリセットするいつもの大事な食事処としても頼られています。

「人生の先輩のお客さんに囲まれ育てていただいています。生きていく上で大事なヒントをもらう毎日です。家族のようにできる限りお客さんの『ワガママ』に応えていきます。第2のお家や実家のように感じていただけていたら嬉しいです」



