「子どもたちってピザが大好きですよね。僕も小さい頃からピザでテンションが上がっていました(笑)。今は僕が同じ思いの仲間と一緒に美味しいピザでまちに楽しさや元気を届けたいと張り切っています」
オーナーの吉澤さんが起業を志したのは中央大学商学部の2年時、アントレプレナーシップゼミでの仲間たちとの出会いからでした。卒業後は漠然と会社員になるものと思っていた人生観はがらりと変わり、自分の力で人を喜ばせる仕事に就きたいという気持ちを自分でも止められなくなったそうです。
「最初は屋台のラーメン屋に挑戦したいと考えたのですが、限られた自分の資金で屋台を買うのも難しくて。ならば自分の大好物のピザで勝負してみようと思いました。早々に大学は退学し、『ピザづくりを学ばせてください』と修行先を探したものの、本気度はなかなかわかってもらえませんでした」
軽井沢の老舗ピザ屋に受け入れてもらい、みっちり2年間の修行、30歳での独立を目標にその後2店舗にわたりピザづくりと接客を学ぶなか、縁あって25歳の若さで方南町の小さな店舗を経営するチャンスに恵まれました。その後笹塚、町田、この若林と拠点を広げ、それぞれのまちで「アキッチョ」ファンを増やし今日に至ります。
「冠は統一して『アキッチョ』ですが、それぞれ別の屋号にしています。何店舗目というのではなく、それぞれのまちに合わせたそれぞれの店に育てていきたいと思っています」
アメリカンピザでも本場ナポリのピザとも異なる、すっと食べられてしまうのが同店のピザの特徴。小さな子から年配の方まで「明日も食べたくなる、食べ疲れない」ピザづくりを追求しています。
20種の定番メニューに加え、シーズンピザと週替わりのピザ、これまで60種類のメニューを開発してきました。家に持ち帰っても店と同じく美味しく食べてもらえるよう、配合や練りも研究し尽くした生地もウリです。また、町田市の山間部に「アキッチョ農園」と名付けた畑を所有、地元の農家さんの力を借りながら育てている無農薬野菜を使用しています。
デリバリー注文も大事なご縁。イートイン同様に「おまたせしました」と手渡しするところまで心を配りたいと、自店にて直接注文を受けたピザは店のスタッフが配達しています。
「『美味しいから』『楽しいから』『便利だから』、この店がここにあることでまちの誰かの役に立つことが個店の存在意議だと思っています。下校途中の子どもたちに「おかえり」と声をかけるのが楽しみです。子どもたちに『大きくなったらアキッチョで働いてみたいな』なんて思ってもらえたら最高ですね」