吉田さんは5歳でクラシックバレエに出会い17歳で海外留学、帰国後もバレエを続けながらミュージカルやショーのオーディションに挑戦するなどその道の人生を歩んでいました。23歳で区切りをつけ、ホテルや一般企業で働き、結婚、妊娠、出産と順調に新しいライフステージへ。ところが、つわりによる長期休職中、コロナ禍での里帰り出産中に経験したことのない鬱症状に陥りました。
「『周囲や社会に迷惑をかけてしまっている』『自分の子どもは自分のチカラでしっかり育てなきゃ』、今思えば負けず嫌いで完璧主義な性格が自分を追い詰めてしまったと思っています。まずは体力づくりからと始めたヨガのレッスンを受けると、涙がボロボロあふれ出て、ガチガチの心が不思議と解放されていきました。『あー、生きていてよかった』って。次第に今度は自分がヨガを伝えて人の役に立ちたいという目標を持つようになっていました」
ヨガで元来の元気を取り戻した吉田さんは新たなステージへ。子育てに奮闘しながらチャイルドボディセラピスト、ベビトレヨガ、RYT200の資格を次々に取得します。オンライン、借スタジオのレッスンで徐々に生徒を増やすなか、縁あってお義父さまの会社が等々力へ移転することに。その新社屋のワンフロアにてスタジオを持つ機会に恵まれました。
「子育て世代が多いここ等々力で、経験がまだ浅めな私が自分のスタジオを持てたことには必ず理由があるはず。子育て中のパパママ、赤ちゃん、子ども、そして子育てをしていない人ももちろん誰かと繋がってほしい。そして自分がヨガをお伝えするだけではなく、ここをほかの誰かにも何かを伝えられる場として活用してほしいと思うようにもなりました。自分のようにやりたいことの一歩をここからいろんな人に踏み出してほしいと思っています」
ハワイの雰囲気を音楽や香りで演出するハワイアンヨガ、スタジオから飛び出しての自然のなかでのパークヨガ、子どもの成長を日頃と違う優しい視点で楽しんでほしいと始めた子ども姿勢ヨガなど、工夫を凝らしたさまざまなヨガプログラムを開講。そしてギャラリーやワークショップなどのイベント開催も大歓迎、レンタルスペースとしていろんな人にどんどん活用してほしいと考えています。
「いい方ばかりが集まってくださり、空間の『気』のよさをいつも実感しています。時間に追われ、多くの情報に惑わされる現代、意識的に日常を忘れて好きなことに向き合うことの大事さを声を大にして伝えたいんです。『LANIがあって助かっている』という言葉がとても嬉しい。もっとたくさんの人にここを知って関わってもらえたら。子育てが一段落したら、ここでカフェスペースやバーも出来たら、なんて思っています。夢は大きくです(笑)」