世田谷の商店街を見つける、つながる

あきない世田谷

小林浩之さん

COFFEE ROASTERY SELVA(セルバ)

オープン日:2022年9月5日
厳選した30種類ほどの良質な生豆をお客さまの好みに合わせ、注文ごとに焙煎した焼きたての珈琲豆だけを提供している同店、丁寧な手仕事で仕上げられたとびきり新鮮な珈琲の味わいと香りは格別です。ブラジルのジャングルのなかの民家をイメージしたという緑豊かな店内には贅沢にも椅子が3つほど。焙煎を待つ間、一杯の珈琲を味わう間だけでもゆったり居心地よく過ごしてほしい、そんな店主の思いが込められています。

「まとめて焙煎した豆を作り置きしてお売りすることは考えられませんでした。珈琲豆は焙煎すると酸化が始まり、尖った酸味になったり、嫌な苦みになったり、後味が悪くなったり。わかりにくいけれど生鮮食品なんです」

店主の小林浩之さんが珈琲屋を始めるにあたり、譲れなかったのが自家焙煎、しかも注文ごとに直火焙煎式窯で少量焙煎することでした。手間暇が掛かる、効率が悪い、お客さんをお待たせする、急ぎのお客さんをお断りすることになるかもしれない。それでも追求したかったのは「最高の珈琲豆づくり」。そして流行に寄せるのではなく、お客さんそれぞれの好みに合わせる「あなたのためだけの味づくり」への挑戦でした。

「80歳になっても現場で働ける仕事をしたい」と第2の人生に選んだのが大好きな珈琲を仕事にすること。数年前、自身が偶然ふらりと入り、その1杯に心を奪われた目黒区の老舗焙煎珈琲店で修行を積み、この9月に念願の自店を持ちました。

「その日の気温や湿度で生豆の状態が変わります。焙煎は直火の火力を調整しながら豆のハゼる微妙な音に耳をこらして捉え、目で焼き色を見極めるという繊細な作業の繰り返し。ほんの数秒で焼きが変わってしまいますから。その奥深い世界にどんどん引きこまれています。納得いかない出来のときは訳をお話しして、作り直しさせてもらっています」

珈琲豆を注文したお客さんにはサービスで一杯をご提供。また店内やテイクアウトでの一杯を求めるお客さんもやってきます。そのメニュー表示は豆の挽き具合で浅煎り、中煎り、深煎りから選んでもらうというこだわりよう。もちろん注文を受けてからゆっくり丁寧にハンドドリップしています。

「基本ワンオペなので集中している焙煎中は落ち着いてお話できないこともあるのですが、商品説明から珈琲談義に及んだり、世間話をしたり。実は開店する前は黙々と焙煎作業をこなす自分の姿を想像していたのに(笑)、今はお客さんとの会話が楽しくて。これも店を持った醍醐味なんですね」

店内に置かれた地球儀を見ながらの屋号「セルバ」の由来である珈琲豆の産地のことやロゴマークのモチーフとなった珈琲豆発見の伝説のこと。その歴史や背景を知れば、1粒の珈琲豆、1杯の珈琲への感慨もひとしおです。

「味の好みはその時の体調などでも変わります。お話を伺いながらその時に心から美味しいと思っていただける珈琲をピッタリお出ししたいですね。研鑽を積みたいと思います」

COFFEE ROASTERY SELVA(セルバ)

最寄駅
東急田園都市線 用賀駅 東口 徒歩1分
住所
世田谷区用賀4-12-2 大山ハイツ101
TEL
03-6805-7040
営業時間
平日 11:00〜19:00
土日祝 10:00〜19:00
定休日
木曜

営業時間、定休日など変更されている場合もありますので、お店のウェブサイトなどでお確かめください。