「僕だって基本歯医者通いは苦手です(笑)。だから自分が患者さんだったどうしてほしいだろうかっていつも考えています。医師として技術面できちんと治療することは最低限のこと、その上で絶対怖い雰囲気はやめてほしいし、痛いことだって出来るだけ勘弁してほしい。話を親身に聞いてくれて丁寧に説明してほしい。そんな自分の思う理想の歯医者さんを実現していきたいと思っているんです」
横浜市にある開業歯科医院がご実家の高島先生、地域の患者さんに慕われ続けたお父さまの姿を見て育ち、大学受験時期に自然と同じ道に進むことを決めたそうです。歯科大学を卒業し付属の大学病院で研修後、将来開業することを念頭に都内や横浜市内のさまざまな地域の開業医院に勤務し、臨床(診察)経験を重ねました。
「価値観や生活環境が異なるたくさんの患者さんと出会うなか、治療も出来る限り選択肢を提示しながら、『歯科医としては』という意見もお伝えする。そこは正論だけではなく、患者さんのためになる最良の選択をいっしょに模索するのも自分の大事な役割だと学びました」
実家は継がず、5年ほど前から家族で暮らしている大好きな用賀のまちを開業の地に選びました。目標としていた、患者さんと同じまちで一緒に歳を重ねていく「まちの歯医者さん」への一歩をスタートさせました。
「緊急事態宣言明け1ヶ月後ぐらいでしたので最初は治療の緊急性が高い患者さんが飛び込まれてくるぐらいでした。その分、ゆっくりと自分を知ってもらい信頼関係をつくっていけたかもしれません。おかげさまでこれまでご家族やお知り合いの口コミや紹介だけでたくさんの患者さんが来てくださっています」
「医療の話は2割、世間話が8割」と自己分析されるほど、先生も地域のひとりとして患者さんとの会話を日々楽しんでいます。尽きない家族の話や趣味の話、そしてその続きは次回の診療のお楽しみに。患者さんからよくいただいてしまうお土産に感激しながら恐縮しきりです。
「旅行先でここを思い出してわざわざ買って届けてくれたと思うとジーンとしちゃうんです」
昔に比べて出来る限り歯は残して保存治療をしようという時代、それでも虫歯や歯周病の進行状況で抜歯が避けられない場合も。医師としても苦渋の決断だそうです。
「2年ぐらい高齢者の訪問診療も経験し、健康に長生きするために歯がどれほど大切なことか実感しています。治療の必要ない状態に保つことが将来のためにほんとに大事なことだとお伝えしたいです。気軽に頼ってください。一緒に歯の健康を守らせていただきたいと思っています」